2026年6月11日
Hak Na My Boss 先行ガイド — タイGL 史上もっとも『トランスインクルーシブ』な制作体制で挑むオフィスロマンス
S Class Entertainment 初の GL シリーズ『Hak Na My Boss(ฮักนะ My Boss)』を公開前に整理。監督 Tanwarin Sukkhapisit(タイ初のトランス国会議員)× 主演 Yoshi Rinrada(Miss Tiffany 2017 優勝者)× ベテラン Diana Flipo という座組み、原作 Chao Planoy の Web 小説、職場ロマンスの軸まで先行解説。

S Class Entertainment が同社初の GL シリーズとして打ち出す Hak Na My Boss(ฮักนะ My Boss)—— 英題は MY BOSS I LOVE YOU。 オフィス × 上司 × 新人 のスイートロマコメ、というシンプルな枠組みの中に、タイGL 史で記録される "業界事件" が詰まっています。
監督は Tanwarin Sukkhapisit ── タイ初の openly transgender 国会議員にして、katoey 映画作家。 主演は Yoshi Rinrada Thurapan ── Miss Tiffany's Universe 2017 優勝者、トランス女優。 相手役は Diana Flipo ── タイ・フランス系のラコーン界ベテラン。
「タイGL がトランスジェンダー・コミュニティを脇役ではなく、撮影現場の中核に据えた最初の主流作品」 ── この一文で語れる作品です。
本記事では、放送前に押さえておきたい情報を整理します。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイ題 | ฮักนะ My Boss("ฮัก" はラオ/東北タイ方言で "愛する") |
| 英題 | My Boss I Love You |
| 制作 | S Class Entertainment(同社初の GL シリーズ) |
| 監督 | Tanwarin Sukkhapisit(Insects in the Backyard / The Eclipse / Wandee Goodday) |
| 原作 | **Chao Planoy(เจ้าปลาน้อย)**の Web 小説『I Love You แปลว่าฉันรักเธอ』 |
| 主演 | Diana Flipo × Yoshi Rinrada(DianaYoshi) |
| 役柄 | Diana = Chama(女社長)/ Yoshi = Nilmookda(新入社員) |
| サブ | Patcha Patchaploy Rueandaluang |
| ジャンル | オフィス・職場ロマンス × コメディ |
| 公開時期 | 2026 年内予定(具体的な放送日・配信先・話数は未発表) |
| ハッシュタグ | #HakNaMyBoss #ฮักนะMyBoss |
どんな作品か
公式のあらすじを意訳すると——
Chama(Diana 演)は、輸出入会社の社長。事業の成功で女性起業家賞を何度も受賞してきた敏腕。
事業拡大に伴って増員する中、経理部に応募してきた新卒の Nilmookda(Yoshi 演)と出会い、一目惚れ。 「彼女こそ運命の人」 と確信した Chama は、花束、ポストイット、差し入れの果物で猛アタックを始める。
しかし Nilmookda は意図がわからず、「誰かに見張られている」とパニック状態に。善意のはずなのに、自信を失っていく Chama──。
**「年上 × 年下」「上司 × 部下」「成功者 × 新人」という、タイGL の王道カードを全部詰め込んだ職場ロマンス。 原作は Chao Planoy の Web 小説で、原作読者の間では"とにかく Chama がポンコツに陥っていく過程が可愛い"**という評価が定着しています。
なぜ "業界事件" なのか — 3つの観点
1. トランスインクルーシブな制作体制
監督 Tanwarin、主演 Yoshi、そして S Class Entertainment の初 GL 進出——この3点が同時に揃った作品は、タイGL 史上初です。
- Tanwarin Sukkhapisit:タイ初の openly transgender 国会議員、Insects in the Backyard(2010)の検閲 7 年戦争を生き延びた重鎮
- Yoshi Rinrada Thurapan:Miss Tiffany's Universe 2017 優勝者。トランスジェンダー女性として The Sign(2023)、Gen Y(2020)で実績を積んできた
- S Class Entertainment:同社初の GL シリーズで、ジャンル進出のフラッグシップに Tanwarin を据える判断
Tanwarin が長年掲げてきた **「LGBTQ+ コミュニティ全体の表現の場としての映像」**という思想が、ようやく GL の中で結実する瞬間です。
詳細は Tanwarin Sukkhapisit 完全特集 を参照。
2. ベテラン × 新世代の演技マッチアップ
- Diana Flipo は 2014 年「Samee Tee Tra」でラコーン女優デビューした、12年以上のキャリアを持つベテラン。Buang Hong(2017)、Lub Luang Jai(2019)など、タイの大衆ラコーン界で長く愛されてきた女優です
- 一方で、Yoshi は GL 主演初挑戦。Miss Tiffany 出身の モデル / タレント としての存在感を、長尺のドラマ演技にどう変換するかが見どころ
これは MilkLove(Bad Buddy サブ → 23.5 主演) や NamtanFilm(Last Twilight サブ → Pluto 主演) のように、先輩女優が新人をリフトアップするパターンの典型。Tanwarin 監督の演技演出が、Yoshi をどこまで引き上げるか注目です。
3. S Class Entertainment の GL 進出宣言
S Class Entertainment は、これまでラコーン・ファッション系で実績を積んできた制作プロダクションで、GL ジャンルには未参入でした。
今回 Hak Na My Boss を第一弾として送り出すこと自体が、**「タイ大手プロダクションが続々 GL に本格参入する 2026 年」**という流れの象徴。Me Mind Y(AI Girl)、Pro Gold(Since Norita)と同じ年に新規参入してくる、スタジオ新興勢力の3本柱の1社です。
詳細は タイGL 新興スタジオ勢力マップ 2026 を参照。
キャスト深掘り
Diana Flipo — Chama 役
- 本名: Diana Flipo(タイ・フランス系、1994年8月11日生・31歳)
- 出身: ウドンタニ県、双子の兄 Maxim あり
- 身長 172cm、モデル兼女優
- 2014 年「Samee Tee Tra」でラコーン女優デビュー
- 主な作品: Buang Hong(2017)、Lub Luang Jai(2019)
- Hak Na My Boss が GL 主演初挑戦
- Instagram: @dianaflipo
役柄の Chama は、敏腕女社長から、新人にアタックを始めた途端にポンコツ化する二面性キャラ。Diana のラコーン演技で培われた誇張表現と、繊細な感情演技の振れ幅が試される役です。
Yoshi Rinrada Thurapan — Nilmookda 役
- 本名: Yoshi Rinrada Thurapan(1997年2月5日生・28歳)
- 出身: ロイエット県
- Miss Tiffany's Universe 2017 優勝者(タイ最高峰のトランスジェンダー美の祭典)
- 主な作品: The Sign(2023)、Gen Y(2020)
- Hak Na My Boss が GL 主演初挑戦
- Instagram フォロワー約100万
役柄の Nilmookda は、Chama の好意がわからずパニックに陥る純朴な新人。受け身に見えて、徐々に Chama を翻弄する立場に逆転していく構造の役。Yoshi の愛らしい外見と、内面の戸惑いを細かく演じる必要があります。
監督 Tanwarin の "GL 期待値"
Tanwarin Sukkhapisit は、近年では GMMTV BL の主要監督として、The Eclipse(2022、First・Khaotung)、Wandee Goodday(2024、Great・Inn)など国際的にヒットした BL 作品の演出を担当しています。
その作家性を Hak Na My Boss に当てはめると:
1. 役者の身体性を引き出す演出
The Eclipse の First・Khaotung、Wandee Goodday の Great・Inn ── Tanwarin 演出の BL 主演陣は、俳優としての表現力が大きく伸びることで知られています。 Diana・Yoshi のペアでも、同じ "リフトアップ" 効果が期待されます。
2. 社会派テーマと商業エンタメの両立
Insects in the Backyard、Club Friday シリーズなど、Tanwarin は**「社会派の作家性 × 大衆エンタメの収益性」を両立してきました。 Hak Na My Boss が "笑える GL" の中にジェンダー・職場権力構造の批評**をどう仕込んでくるかは、放送開始後の見どころです。
3. 家族規範への問いかけ
Insects in the Backyard の核は "katoey が母として家族を支える" 構造でした。 Hak Na My Boss が原作小説の "社長 × 新人" のヒエラルキー構造を、どう "対等な関係性" に組み替えるかは、Tanwarin の作家性ならではの注目ポイントです。
観る前に押さえておきたい関連作
Hak Na My Boss の世界観に近いタイGL の "オフィス職場ロマンス" 系を観ておくと、放送開始後の比較がより楽しめます:
- GAP: The Series(2022)── タイGL のオリジン。社長 × 部下、年上 × 年下の王道
- Affair(2024)── 13 年越しの再会、お嬢様 × メイドの娘
- Whale Store xoxo(2025)── 食料品店経営者 × 常連客、社会人ロマンス
Tanwarin 監督の作家性を体感したい方は、The Eclipse(2022)か Wandee Goodday(2024)で BL 演出を先に観るのもオススメです。 詳細は Tanwarin Sukkhapisit 完全特集 の「Tanwarin 入門」を参照。
公開待ちのポイント
公式から発表されていない要素:
- ❓ 放送開始日("2026 年内予定" のみ)
- ❓ 全話数
- ❓ 配信プラットフォーム(S Class の YouTube + iQIYI / Netflix 系?)
- ❓ メインティーザー(写真ビジュアルのみ解禁、動画予告は未公開)
これらが解禁されたら追記更新します。 公式 Instagram @sclass.entertainment をフォローして第一報を待つのが最速です。
関連リンク
- Hak Na My Boss 作品詳細
- Diana Flipo 個別ページ / Yoshi Rinrada 個別ページ
- Tanwarin Sukkhapisit 完全特集
- タイGL 新興スタジオ勢力マップ 2026
- AI Girl Series 先行ガイド
- タイGL とは — 完全ガイド
- タイGL 公開予定一覧
"タイ初の katoey 映画作家が、タイ初の GL 主流作で監督を務める" ── Hak Na My Boss は、その象徴的な意味の大きさだけで、ジャンル史において後年まで参照される作品になるはずです。 12 年のキャリアを持つラコーンのベテラン Diana と、Miss Tiffany 出身の Yoshi が、Tanwarin の演出のもとでどんなケミストリーを見せてくれるか。 公式の正式放送日アナウンスが出たら、ぜひリアルタイムで追いかけてみてください。

